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1977年、鳥取県生まれ。都内のレストランで修業し、2005年に渡伊。モデナの〈オステリア・フランチェスカーナ〉へ。わずか1カ月でスーシェフとなり、当時ミシュラン一ツ星だった同店を、2006年に二ツ星、2012年に三ツ星へ引き上げた。2015年2月、ミラノに〈リストランテ TOKUYOSHI〉開業。

徳吉 洋二氏 来店
9月29日[火]〜10月4日[日]各日午前11時〜午後7時

1978年、東京都生まれ。広尾〈アクアパッツァ〉を経て渡伊。ピエモンテ、ヴェネト、カンパーニャなど各地の名店で研鑽を積む。自らの感性と素材の魅力を生かした独創的な料理でゲストを魅了する。2012年10月、代々木上原に〈イル プレージョ〉開業。ミシュランガイド東京2014年版より一ツ星獲得中。

岩坪 滋氏 来店
9月29日[火]・10月2日[金]・3日[土]各日午前11時〜午後5時30分
9月30日[水]・10月1日[木]・4日[日]各日午前11時〜午後7時

[イートイン]
午前11時〜午後8時 最終日午後7時終了
〈ラストオーダーは各日終了1時間前〉

イタリアを拠点に活躍中の漫画家、ヤマザキマリが、
〈トクヨシ × イル プレージョ〉スペシャルコースをひとあし早く実食!

トクヨシ × イル プレージョ〉スペシャルコース 4,860円(日本製/1人前)

「シチリアについて話そうよ」というネーミング通り、シチリアの魅力がぎゅっと凝縮されて詰まったアンティパスト。
 シチリア島は私にとってもイタリアで最も気に入っている場所の一つで、これまでに何度も訪れてきましたが、イタリア本土とも重ならないあの独特な空気感は、やはりシチリアという島が辿ってきた特異で深い歴史が醸し出すものなのかもしれません。
 言葉で形容するよりも、実際にそこまで行って何が素晴らしいのかそれぞれの五感でじっくり感じて来て欲しい、と思ってしまうそんなシチリアの代表的な食材が、小さな宝石のように茄子の容れ物に収納されている、これはちょっとした宝箱。食べ物と、その食べ物を育んだ場所へのシェフ達の愛情が溢れ出てくる一品です。

 イタリアの一般的なリゾットを想像していたら、まったくそうじゃないのが出てきてビックリしてしまいましたが、おしゃれで遊び心があって、しかもそれぞれの食材の風味が余す事なく醸し出されていて…とにかくそのエンターテイナー性に思わず拍手を贈りたくなってしまいました。しかもこのお米の感触たるや、これは一度食べたら絶対癖になります。イタリア人のこだわりでもある茹で加減“Al dente”をさらに突き詰めた、今までにない新食感とでも言うのか…日本の人って、新幹線でも洗浄式のおトイレ(失礼)でもそうですが、海外で生まれたものを巧みに進化させて、原型以上に凄いものにするのが大得意の人種だと思うのですけど、これを食べた時もまったくそれと同じことを感じました。
 料理は勿論おいしければそれに越したことはありませんが、懐石料理もそうであるように、一つのお皿に盛り込まれた料理人の技やセンスの演出次第で、食べる側の感動もぐっと大きくなるんですよね。

 セコンドは北イタリアのピエモンテへの思いが込められた、これもさまざまな味覚を堪能できる素晴らしいお料理です。豚ロースのローストを中心にさまざまな食材がぐるりと並べられた様子はさながら絵の具を乗せたカラフルなパレット。ピエモンテの代表料理に欠かせないトリュフを使ったソースにバーニャカウダのソースなど、この一皿さえあれば取りあえずピエモンテを10日間くらい掛けて、旅をしたような感覚に浸ることができるでしょう。
 何より、料理人達のピエモンテへの思いや思い出が、言葉や文字の代わりにここに並べられた食材となって存分に表現されていて、一口味わう毎に、「うんうん、ピエモンテは食材の宝庫でとにかく素晴らしかったんだね」とうなずきたくなってしまいます。私にとって面白い漫画とは、作品の向こう側に作者の人となりが見えてくるものだと思っていますが、料理にも同じことが言えるのだなあ、としみじみ痛感した次第。どれもすべて完璧においしかった!!

漫画家
1967年4月20日東京都出身。1984年に渡伊、フィレンツェの国立アカデミア美術学院入学 美術史・油絵を専攻。2010年、古代ローマを舞台にした漫画「テルマエ・ロマエ」で第3回漫画大賞受賞。第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。著書に「モーレツ!イタリア家族」「ルミとマヤとその周辺」「男性論」「国境のない生き方」など多数。現在は、講談社:ハツキスで「スティーブ・ジョブズ」、新潮45で「プリニウス」を(とり・みきと共著)連載中。最新刊は「プリニウス」3巻、「スティーブ・ジョブズ」4巻。