ITALIA WEEK

肉のカリスマ、ダリオ・チェッキーニ直伝のテクニックを、日本を代表するBBQマスター、下城民夫がリポート!

キャンティ地方の小さな町に、世界中から食通が訪れる“肉屋のレストラン”がある。腕を振るうのはダリオ・チェッキーニ氏。創業250年をこえる老舗肉店の9代目だ。今回のイタリア展で1日限りのスペシャル肉イベントを開催するダリオ氏。そのスゴ技を探るべく、日本の愛弟子〈トラットリア29〉の竹内シェフを訪ねた。

TALK 対談

さまざまな国のバーベキューを取材している下城さんも、“イタリア式”に触れるのは今回が初。興味津々で竹内シェフの肉テクニックを観察します。今日焼いてもらうのは、イベントのクライマックスに登場するランプ肉のステーキ。

下城:お肉には塩もハーブもしない状態で焼きはじめるんですか?

竹内:はい。軽くオリーブオイルを塗るくらいで、ほかは何もしません。イタリア人は、バーベキューでもほとんど味付けをしない人が多いですね。

下城:このくらいの大きさ(2kg)を焼くのに、どれくらいの時間が?

竹内:20〜30分くらいですかね。炎がしっかり上がるタイプの炭で、じっくり焼くというよりガッと強火で焼くイメージです。

下城:なるほど。これはランプ肉を使っていますし、バーベキューというよりステーキのカルチャーですよね。バーベキューはもともと、肩や胸の筋力の固い部分だったり、ステーキには適さない部位の肉を使うんです。それをどうやって美味しく食べるか、と工夫する文化。いろいろなテクニックを使って、十何時間もかけてゆっくり焼きあげるスタイルです。

竹内:イタリアでも内臓を煮込み料理に使うことが多いですし、どの国にも“残さずいただく”ための工夫があるんでしょうね。

肉で「みんな仲良しさん」

下城:おっ、いい感じに焼けてきましたね。表面にテクスチャーを付けるのは同じです。ぼくは焼き目の角度にもこだわりますよ(笑)。肉って本当にテンションがあがりますよね(笑)。

竹内:プリミティブなよろこびですよね、ワクワクする。

下城:特に大きい肉はね!バーベキューも大きい肉を大きいまま焼いて、それを切り分けてみんなでシェアして食べるというのが大切な行為。要するに「みんな仲良しさん」なんです。

竹内:それは師匠のダリオもまったく同じ考えです。最後にはテーブルのみんなが家族みたいになって帰る、というのが彼の真骨頂。肉が焼きあがったら両手にもって「肉ばんざ〜い!」ってパフォーマンスをするんです。

下城:そういう意味でダリオさんはとてもバーベキュー的ですよね。実際はどんな方なんですか?

竹内:イタリアでは「肉の伝道師」なんて呼ばれている人です。250年以上の歴史がある肉屋ですが、伝統的というよりとてもクリエーティブな人。塊で焼く肉のカルチャーを世界に広めたいという思いがあって、欧米やアジア各国など色々なところを回ってイベントをしています。

“うるうる”したレアの醍醐味

下城:わぁ〜、これはもう絶対においしい!レスト(休ませ)はしないんですか?

竹内:肉を「休ませる」「休ませない」って分かれると思うんですけど、イタリアは休ませない人が多いです。うるうるっとしたレアの状態を楽しみたい。休ませたらそれはローストビーフだという人もいて。レアなんだけど、人肌程度に温かい、その絶妙な仕上がりを狙うのが腕の見せ所だと(笑)。

下城:それは僕も同意見ですね。いまは休ませブームだけど(笑)。

下城:味付けは?

竹内:切り分けた後、塩とオリーブオイルをかけて食べる。それだけです。

下城:なるほど。ダリオさんはお肉屋さんですから、いい肉の素材を活かして、さらに美味しく食べる技術を追求されているんですね。バーベキューとは重視しているポイントが違いますが、肉のうるうる感、というのはものすごく共感しました!

切り分けて豪快に盛り付けられたお皿を見て「アピランス(見た目)も最高!」と思わずテンションのあがる下城さん。竹内さんの表現通り「うるうるとしてジューシィ」なステーキに舌鼓を打ちました。

EVENT イベント

うるうる肉を食べるチャンスは10月1日[土]!!

ダリオ・チェッキーニ×竹内悠介 屋上「肉のコースを楽しむスペシャルイベント」
■10月1日[土]正午〜・午後5時〜
■新宿店本館屋上=アイ・ガーデン
参加費:10,001円(お一人さま)
定員:各回80名さま
コース内容:野菜スティックのサラダ・キアンティの豚のツナ・肉のパテ
パプリカと唐辛子のジャム・豚スネのボリートサラダ・沖縄県産ヤンバル豚のポルケッタ・オーストラリア産 アンガス牛ランプの炭火グリル・オリーブオイルのケーキ・フリードリンク
ご予約:www.isetan.co.jp/italy
※諸事情によりメニュー内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。

COUNTER
イベントに参加できない方もご安心を!竹内シェフの料理は本館6階=催物場でも楽しめます。 詳しくはこちら

PROFILE 人物紹介

竹内悠介氏

広尾〈アッピア〉で5年勤務の後、2006年渡伊。エミリア・ロマーニャの〈Amerigo〉をはじめ、ボローニャ、マルケなどのレストランを経てキアンティの精肉店兼レストランである〈Antica macelleria Cecchini〉にて1年間ダリオ・チェッキーニ氏に師事。2009年に帰国し、弘前の〈オステリアエノテカ ダ・サスィーノ〉を経て、2011年に独立。

下城民夫氏

日本バーベキュー協会会長。広告代理店からアウトドアジャーナリストに。日本に正しいBBQ文化を浸透させようと、2006年に日本バーベキュー協会を設立。2007年から「BBQ検定」を開始する。近年は本場アメリカBBQコンテストに日本チーム「BBQ SHOGUN」として出場中。また日本人初のアメリカのBBQコンテストの審査資格を持つ。
http://www.jbbqa.org/